紅葉の栂池自然園その2
今日の泊まりは、栂池ヒュッテ。
前日に予約をして、泊まることができました。
山小屋と言っても、車が入るので、設備、料理は下界並みにすばらしい。
夕食の料理は魚料理と肉料理。
最初は魚だけだったので、まあ山小屋だから仕方ないか、と思っていたら、魚を食べ終わった頃、
「お肉を持ってきました」
と、おねえさんが大皿を持ってきてくれました。
さらに、お肉が終わると、栗のケーキが!
お腹いっぱいだったので、嬉しい誤算でした。
食事の時、ご一緒した方が、おいしそうにビールを飲んでいました。
どうしようかなあ〜、注文しようかなあ〜。
すると、もう一人の方が、
「こんなに飲めないから、一杯いかがですか?」
ラッキー!
茶碗にいただいたビールが、こんなにおいしいなんて!
テーブルで同席した方は、お二人ともデジカメで撮っているとのこと。
そういえば、自然園の中もコンパクト、一眼ともデジカメの方が、かなりいらっしゃいました。
部屋は、アルペンベッドというタイプで、2段ベッドの各スペースにカーテンで間仕切りができます。
こういうタイプは、ユースホステルやフェリーの2等寝室で慣れているので、まったく問題無し。
一畳に数人という山小屋の混雑を想像していただけに、快適に過ごすことができました。
地下の広い風呂で体を伸ばし、借りた浴衣で涼んでいると、部屋をノックする音が。
小屋のスタッフがお弁当を持ってきてくれました。
明日の日の出は6時前。朝食は7時。
太陽の一番いい時間を、朝食に費やしてはもったいないので、朝と昼をお弁当にしてもらったのです。
午後9時。
カーテンを閉めて、就寝です。
翌朝5時。
腕時計のアラームの音で起きました。
窓から外を見ると、薄暗い中にぼんやりと、後立山の山々が。
よし、行くぞ。
カメラ、三脚を準備して、栂池ヒュッテを出ました。
行く先は、白馬岳への登山道の途中。
そこから見ると、紅葉の山を見下ろすようになり、背後の連峰が、より広く見えるのです。
目的の場所に着いて、三脚をセットして、さあ撮るぞ!
でも、ファインダーを覗いた時には、背後の山々は雲に隠れてしまっていました。
もうちょっと、雲が待っていてくれれば・・・。
雲の切れ間から、白馬岳に赤い朝日が当たっているのが、わずかに見えます。
赤いモルゲンロードの白馬岳と、手前の鮮やかな紅葉という構図で撮影しようと思っていたのに・・・。
手袋をしながら、一時間近く待っても、雲が晴れることはありませんでした。
栂池ヒュッテに戻り、チェックアウト。
お弁当二つに、水筒二つをリュックに詰めて、昨日に引き続き、栂池自然園の散策です。
宿でチケットにスタンプを押してもらったら、お金を払わずに自然園に再入場できます。
曇りの中の紅葉を見ながら、歩いていたら、突然、雲が晴れました。
白馬岳だ!
水芭蕉湿原の、紅葉と白馬岳との組み合わせが美しい所まで、急いで駆け戻りました。
雲が晴れたのは、ほんの5分間くらいだったでしょうか。
やっと、イメージしていた絵を撮ることができました。
ワタスゲ湿原でも、5分間くらい雲が切れ、青空と白馬岳と紅葉を写すことができました。
また、濃い霧に囲まれました。
この2回のチャンスをものにできたので、まあ、良しにしよう!
そして、栂池自然園の帰路に着いたのでした。
自然園の出口を出て、ロープウェイ乗り場まで降りて来ました。
ふと、後を振り向くと、青空と白馬岳が!
なに〜!
さっきまで、あんなに霧が濃かったじゃないか!
駆け足で戻り、今日の朝一番に訪れた、白馬岳の登山道を登りました。
時刻は正午。
遅かったです。
やはり、光は逆光気味になり、白馬岳はグレーになり、紅葉の色はくすんで見えました。
午前中のうちに雲が晴れればなあ〜。
自然園まで下り、これからの行動を考えました。
空を見ると、晴れはしばらく続きそうです。
白馬岳はダメだけど、北西の方角は大丈夫そうだ。
小蓮華山や、白馬乗鞍の山腹の紅葉をターゲットに変更して、自然園に再々入場しました。
やはり、陽が当たると、木の表情が変わります。
昨日のしっとりした色も良かったですが、キラキラと輝くダケカンバも美しいものです。
実は、昨日から目を付けている黄色いダケカンバがあるのです。
その木は、小蓮華山の山腹の紅葉をバックに黄色く輝いていました。
その木にレンズを向けていると、横を通るハイカーの方は、
「きれいな滝ですね」
と言いながら、過ぎて行きます。
確かに、レンズを向けている山腹には、滝があるのですが、それは付け足しに過ぎません。
きれいなダケカンバなんだけどなあ〜。
と、心の中でつぶやいていました。
楠川のほとりでお弁当を食べました。
骨付きの鳥に、焼いた魚と、おにぎり2個。
やっぱり、紅葉を眺めながらのお弁当は、数倍おいしいですね。
こんどこそ、帰路に着きました。
栂池の名前の由来となった「栂の木」であるシラビソにたくさんの実が成っていました。
ロープウェイのガイドさんの案内によると、このシラビソの実は数年に一度しか、成らないとのこと。
地味ですが、貴重なものを見ることができました。
ロープウェイに乗ると、ちょうど雨が降り出してきました。
さっきまで、あんなに晴れてたのに。
午後から崩れるという天気予報は、当たっていたようです。
山麓まで降りると、栂池温泉でゆっくりしました。
この温泉は、露天風呂の岩にコケが付いていて、ヌルヌルして気持ち悪かったです。
露天風呂からは、白馬岳は雲の中です。
剛